NPO法人の会計と税務

NPO法人は、法人税法でいうところの公益法人等に該当します。

ただ、法人税法の規定では「公益法人等 別表第二に掲げる法人をいう」という中の別表第二には含まれていません。

しかし、NPO法のほうで「第七十条 特定非営利活動法人は、法人税法その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号に規定する公益法人等とみなす。」となっているので公益法人等に該当します。

この公益法人等に該当することによって株式会社等の営利法人（普通法人等）と大きく異なるのは次にご紹介する収益事業課税です。

ＮＰＯ法人は前述の通り、公益法人等とみなされ、収益事業を行う場合のみ法人税が課税されます。

法人税が課税される収益事業は、「販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して字事業所を設けて行われるものをいう」と定義され、この課税対象となる収益事業（34業種）は以下の通りになります。

なお、上記に掲げる業種にかかわらず、次に掲げる事業は、その種類を問わず収益事業から除かれています。

①公益社団法人・公益財団法人が行う公益目的事業

②身体障害者及び生活保護者等が事業に従事する者の総数の2分の１以上を占め、かつ、その事業がこれらの者の生活の保護に寄与しているもの等

収益事業を行っているにもかかわらず法人税等の確定申告書を提出しない法人を把握するため、公益法人等には損益計算書等の提出制度が設けられており、NPO法人もその対象ですが、すでに法人税の確定申告を行っているNPO法人や年間の収益金額が8,000万円以下のＮＰＯ法人は除かれます。

NPO法人が行う事業にはNPO法に規定されている２０の活動とその２０の活動に支障がない場合に行うことができる特定非営利活動に係る事業以外の活動（その他の事業）があります。
 
このNPO法上の事業と上記の３４の収益事業には全く関連性がありません。
 
そのため、特定非営利活動に係る事業であっても、収益事業に該当すれば法人税が課税され、その他事業でも収益事業でなければ法人税は課税されないことになります。

最初にご紹介した、34業種の中でも請負業というものは、範囲が広く、広義に解すれば34業種に収益事業を限定した意味もなくなってしまう恐れがあります。
 
そのため、請負業に関しては限定的に解釈するものとされています。