訪問介護は、デイサービスのような一事業所ごとの定員の限界もないため、繁盛すればデイサービスを上回る利益を出せる業種ですが、デイサービスに比べて独自性が出しにくく、差別化が難しい業種という特性もあります。
それでは訪問介護の開業資金はいくら程度を考えればよいのか考察してみます。
ずばり訪問介護で必要な資金はいくらかという問題ですが、以下の2つの合計と考えてみればよいでしょう。
訪問介護で必要な資金=A+B
A:資金収支がトントンになった状態での月次資金の3か月分程度
B:収支トントンにもっていくまでにつぎ込むためになる資金の支出金額程度
と考えていけばよいでしょう。
Aは地域によって異なりますが、今までお付き合いした経験した場合であると東京都23区の訪問介護事業所であると月150万円程度の売上でなんとか生活できるという程度になっている方が経験上は多くなっています。それを考えるとAについては150万円×3=450万円前後と考えられます。
Bについては本当に経験もあり、開業に足りるだけの人脈もある方はやはり少なくなるのでAにオープンした金額を足した程度で済んでしまいます。
Bでオープン時に必要となるものとしては
・法人設立費用
・事務所入居時の費用
・パソコン設備やソフト等の導入費用
・オープンのためのチラシ等の費用
・車両や電動自転車等の費用
などが考えられ、これらは工夫すれば100万円前後には抑えられると思われますので、それであると最低450+100=550万円からとなります。
ただ、それぞれの方によって収支がトントンにもっていけるかの時間が異なるので、この550万円程度だとオープンはできても収支トントンにもっていくまで長く持たず廃業になってしまうので資金的な余裕がほしいとは思います。
なお、すべて自己資金でこれらの資金をと言っているわけでもないので最後にご紹介しているように日本政策金融公庫を中心に融資も検討してみましょう。
どのような業種でも当然ですが、売上と費用を考えて必要な資金を考慮していかなければなりません。介護事業で売上といえば介護報酬で、費用については訪問介護の場合は設備投資が少なく人件費が費用の多くを占めるので人件費を特に重視していかなければなりません。
開業資金で考えるべきなのは開業後に資金繰りが間に合わなくなって倒産にならないかです。起業直後からいきなり黒字にならなくても黒字になって事業が安定化するまで資金繰りが間に合えば訪問介護での開業は成功といえます。
そこで簡単に売上である介護報酬で考慮すべき点と人件費で考慮すべき点をご紹介します。
上ではなんとか月次売上150万円程度と記載はしておりますが、
でもご紹介している通り、訪問回数401回から600回程度で収支がほぼゼロです。
そこで開業をなさろうという方はこれだけの訪問回数をこなすと売り上げがいくら程度になるかもちろん利用者によって提供するサービスが異なり、顧客単価も異なってきますが考えてみてください。
訪問介護で支出の多くを占める人件費も事業の成否の分かれ目です。介護業界は人手不足なのでゼロから人集めをしようとすると多大な広告費を要し、開業まで遅れてしまったり、利用者へのサービス提供を人員不足を理由に断らなくてはならなくなります。
だからと言って雇用の安定をと正社員ばかりにしてしまうと今度は固定費が増えてしまい事業収支をトントンにするラインが上昇してしまいますのでバランスを考えて人員募集をしていきましょう。
このページの最初で日本政策金融公庫を中心に融資を受けるので自己資金だけで開業資金を賄う必要はないと記載していますが、結局いくら融資してもらえるのかも気になる点です。
まず融資については担保がなくても融資の対象となります。
ただ、融資があれば計画が甘くても融資は通りやすく、融資金額も多額に申し込んでもそれが通る可能性が高くなるのは確かです。
借りたお金は利子をつけて返済しなければならないので担保をつけて多額の融資を受けすぎて返済しなければならないのを忘れて浪費してしまうと後で返済に困ることになります。
そのため、数百万円融資を受ければ事業が軌道に乗っていかせることができるという水準まで自己資金をためておくことです。融資は自己資金と同額程度借りれば開業資金は十分という水準まで貯金をしておくことをおすすめします。
なお、過去に金銭トラブルがなければ良いですが、過去に自己破産などがあったり税金の滞納などがあると融資にも影響して来ますので、その点は注意しましょう。
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